ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

40代、50代の非正規が弁護士になって一発逆転を狙えるか?

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こんにちは。ヴィヴィアンです。

前回↓↓↓は40代以上の方が目指すべき職種やスキルなどについてお話ししました。

vivien-moriya.hatenablog.com

今回は、前回と関連して、40代以上の非正規の方が法曹資格を取得して一発逆転できるか?についてお話ししたいと思います。

今は昔と違って法曹資格を簡単に取得できるようになりました。学生時代勉強が得意だった方の中には司法試験の受験を考えている方もいるのではないでしょうか。

 

結論から言ってしまうと、逆転は難しいです。

なぜ一発逆転が難しいのかというと、ざっくり言えば、40代以上ですと法律事務所や企業への就職が難しいこと、就職できたとしても一般人が思うよりはるかにハードな職業であることなどがその理由です。

 

よく、元アナウンサーなどの有名人が弁護士になって華やかな第二の人生を送っているという話が報道されることがありますが、あれは、「有名人だから」、うまくいっただけだと思いますね(うまくいったように見えるだけの可能性もありますが)。

そこらの一般人、中でもコネもない非正規だったような人が弁護士になったところで簡単には逆転などできません。

 

とはいっても、これを読んでいる人の中には、いやいやそんなことないでしょ、最難関の国家資格なんだからと信じない人もいると思いますので、なぜ逆転が難しいのかを説明していきたいと思います。

 

別に司法試験の受験を阻止しようという意図はないのですが、幻想を抱いている人があまりにも多いなと感じるからです。司法試験の受験を考えている人は是非参考になさってください。

 

目次:

40代以上の弁護士の就職は狭き門

弁護士業界は差別社会です。就職時や転職時において年齢差別や性差別は当然にあります。一般社会よりもはるかに厳しいです。弁護士は選民意識が強くうぬぼれている人が多いですし、驚くほど世間知らずで視野も狭いですから、どうしても偏ったものの見方をする傾向があるのですね。これが差別に繋がっている面もあると思います。無知が差別を生むと言いますよね。

 

ただ、それだけではなくて、経営上、やはり男性の方が顧客を獲得しやすいですし(あくまでも一般論です)、男性の方が汚れ仕事に抵抗を示さない人が多いと考えられていることもあると思います。また、若い人は無知で従順で扱いやすいですから彼らの方が魅力的に見えるでしょう。

そして、弁護士は客商売の一面がある以上、客ウケの良い人材を採用しようとするのは当然なわけで、その客の偏見や差別に合わせざるを得ないという面もあろうかと思います。

 

また、差別に加えて、法律事務所というのは小さな組織ですから、似た者同士、気の合う者同士でやっていきたいという意識が強いんですね。ですから、年齢や性別が問題にならない場合でも、ボス弁に気に入られなければ採用は難しくなります。で、弁護士自体おかしい人が多いですけどボス弁というのはもっとおかしいですから。そんなおかしいヤツに気に入られなければならないため、一般企業よりも採用のハードルははるかに高くなります。

 

ですから、40代や50代の方はせっかく司法試験に受かっても就職するのが難しいんですよね。コネがあれば別ですし、バックグラウンドによっては年齢が上でも良いところに好条件で就職できる場合がありますが、非正規だった人は本当にキツイですよ。弁護士は非正規なんてバカにして見下していますからね。氷河期を知っている弁護士はほとんどいません。コイツら低学歴で無能で怠け者だから非正規やってるんだろう、くらいにしか思っていないんです。もしくは、司法浪人のために非正規で働いていたと勝手に勘違いし、何度も司法試験に落ちたバカだと思っている人もいます。

 

ところで、40代以上の弁護士の進路としてはどのような選択肢があるのでしょうか。

以下の4つが一般的でしょうかね。

①企業法務系法律事務所への就職

②企業法務系法律事務所以外の法律事務所(←いわゆるマチ弁系法律事務所など)への就職

③企業内弁護士や企業の法務スタッフとして企業に就職(正社員)

④就職せずに独立(これを即独といいます。又は法律事務所で短期間働いた後独立する場合も。いわゆる早期独立といいます)

 

①企業法務系法律事務所はコネがない限り40代以上はほぼ不可能です。4つの中で一番厳しいですね。

②マチ弁系法律事務所も40代以上の人にとっては非常に狭き門です。ただし、全国に支店をもつような今どきの法律事務所では年齢が上でも採用の可能性はそれなりにあります。こういったところに就職する中高年弁護士は多いです。ただ、合わなくて苦痛に感じる人もいるでしょうね。

 

③企業への就職についても非正規だった人の場合はやはり年齢がネックとなります。しかも、弁護士を採用しようとする企業はほんのわずかなんです。

なぜなら、企業で法務の仕事をしている人の中には司法試験に合格できなかった人たちがたくさんいるわけです。彼らの弁護士に対する嫉妬心や敵対心は凄まじいものがありますね。弁護士に対して信じがたいほどの屈折した感情を抱いています。彼らにとって弁護士はコンプレックスを刺激する邪魔な存在でしかないんですね。

そのうえ、司法試験経験の有無にかかわらず、法務の仕事をしている人は基本的にプライドが超高いですから、自分よりも仕事のできる弁護士なんて目障りでしかありませんし、どういうわけか、弁護士よりも企業で法務の経験を重ねた自分の方がずっと仕事ができる、弁護士に自分たちの仕事ができるわけがないと勘違いをしている人も数多くいるのですね。

ですから、多くの企業が弁護士の採用には消極的なんですね。

 

仮に運よく企業に内定が取れたとしても、企業への就職はお勧めしませんね。なぜなら、(たとえ日本を代表するようなトップ企業であっても)企業の法務のレベルが低すぎるからです。(弁護士は別としても)法務で働いている人で法律を理解できる人はまずいませんし、誤った知識をもとに業務を行っていますので、そういった誤った知識ややり方が身についてしまう危険性があるためです。もっとも、知識や理解に自信がある人は別ですけど。

 

以上①②③の通り、40歳以上で弁護士になっても就職先についてはほとんど選択肢がないんです。

 

ですから、40代以上で弁護士になった場合は就職せずに独立する人が多いんですね。

④就職せずに独立する場合ですが、いきなり独立してやっていけるのか?と疑問に思うかも知れません。やっていけるかどうか気になるのは、集客と弁護士業務の2点だと思います。集客は広告や人脈等を利用することになります。最近は広告の効果が下がってきていると聞きますし、今後はさらに厳しくなっていくかもしれませんが、法律事務所の場所を選んで、営業活動にも力を入れて、いろいろ工夫すれば儲かるかどうかは別としてやっていける可能性はそれなりにあるかと思います。また、弁護士業務はたいていのことは自分で調べれば分かります。そもそも、事務所に就職したからと言って、適切な指導が受けられるとも限りませんしね。就職しようが独立しようが全て自分一人でやるつもりでいたほうが良いと思います。

法曹界ではパワハラや嫌がらせは日常茶飯事、低収入長時間労働は当たり前

ほぼ100%の人が勘違いしていますけど、弁護士の世界はぜんぜん華やかなものではありません。

弁護士の仕事というのはとても泥臭い仕事です。パワハラや嫌がらせはあって当たり前。相手方代理人、裁判官、調停委員たちと怒鳴り合いになることもしょっちゅうです。

相談者や依頼者、関係者にヤバい人やおかしな人もいっぱいいます。

常にあらゆる危険と隣り合わせですしね。いつどこにどんな落とし穴があるか分かりませんから、常に気を張っていなければなりません。

 

ですから、運よく法律事務所へ就職できたとしても、弁護士人生は前途多難です。弁護士になって思うのは、弁護士はよほどのマゾか相当神経が図太くないと務まらないということです。

 

そういえば、弁護士になったばかりのころ、ある飲み会の席で弁護士はマゾが多いという話で盛り上がったことがあるんですよね。その時は、ピンと来なかったのですが、いまでは、なるほどなぁと思います。

 

では、法律事務所に就職できた場合、どんな苦難が待ち受けているのでしょうか?

 

ざっと、弁護士業界の特色について挙げてみました。盛っているんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、かなり控えめに書いています。

一般企業と弁護士業界の両方を経験した私から見ると、弁護士業はまったく割に合わない商売だなと感じます。

弁護士業界は非常に閉鎖的

弁護士業界は一般企業や一般社会よりも非常に排他的で保守的です。弁護士会や委員会などの組織はド田舎の町内会のような雰囲気です。組織やコミュニティにもよりますが、上下関係も厳しいです。上(これは上司という意味ではないです。上司も含め、期が上の弁護士や場を牛耳っている弁護士などのことです)には一切意見できないような雰囲気があります。

全く理屈の通じないトンチンカンな創業者が支配している零細企業のような感じと言ったら分かるでしょうか。一般社会にいた人たちは色んな意味で、びっくりしますよ!(笑)

 

また、中には若手(年齢が若いということではなくて弁護士としての経験年数が短いということ)の弁護士を利用してやろうとか搾取してやろうと企んで近づいてくる弁護士もいます。そもそも、立場の弱い若手から搾取することを悪いと思うようなまともな感覚の弁護士はあまりいないように思います。事務所の若手をこき使うのは良いとしても、雇用関係にもなければ業務委託関係にもないのに単に同じ弁護士会、同じ委員会に所属しているというだけで、タダ働きや使い走りのようなことを強要されることもあります。異を唱えようものなら、ヒステリーを起こしてギャーギャー言いだすベテラン弁護士や中堅弁護士もいます(皆さん立派なご経歴、肩書でした)。若手をかばう人など誰一人いません。新人のころ、こういった場面に出くわして、ゾッとしました。コイツら相当ヤバくね?こんなアタマのオカシイ人たちのいる世界からは早く足を洗わねば!と切実に思いましたね。

弁護士同士の足の引っ張り合いもあります。気に食わない弁護士や事務所を潰してやろうと悪口をマスコミにタレこんだり難癖付けて懲戒請求したりする弁護士もいますね。

弁護士業界は男尊女卑の世界

 すでに触れましたが、弁護士は人権が~とか弱者が~などと言っているわりに人を差別する傾向があります。男女差別に限りません。偏見も強いですし。めちゃくちゃ男社会ですよ。男の人にとっては良いでしょうけど。女は怒鳴りつければ大人しくなる、と勘違いしている男性弁護士、非常に多いです。自分(依頼者)の要求を通すために怒鳴り散らしたり恫喝したりする男性弁護士、高確率でいます。表向きは、女性の権利が~とか、人権が~なんて言いながら裏ではこんな感じなんですよ。

弁護士に限らず法曹は性格が悪い

 先ほども触れましたが、裕福な家庭やエリート家庭で育った人が多いですから選民意識が強く、人を見下す人が多いです。利己主義の人も多いですね。

また、子供のころから勉強中心の生活を送ってきた人が多いので、とにかく世間知らずです。なんでこんなことも知らないんだろう?と思うことが多いです。

経験値が低いからか価値観もステレオタイプだったり偏っていたり。話も超つまんないんですよね。

基本、弁護士は陰口を言ったり噂話をするのが大好きです。弁護士が集まると同業者の悪口や噂話で盛り上がることが多いです。

いじめも普通にあります。子供のころから抑圧された生活をしてきたからなのか、陰湿な人が多いです。特に女性弁護士は陰湿で底意地の悪い人が多いですね。(このような傾向は、弁護士に限らずエリート女性達に共通していますよね。)もう、本当にびっくりしましたよ。いじめや嫌がらせの仕方がなんかもうすごすぎて、ドラマの世界に突然放り込まれたような感じです。えっ、これ、マジ!?って思いましたもん。世の中にはこんな性悪女がいるんだなぁと。

法曹界はハラスメントが多い

性格悪いんだから当たり前といえばそうなんですが。上の立場の弁護士からのパワハラはもちろんですが、相手方弁護士、裁判官、調停委員からのハラスメントや陰湿な嫌がらせは日常茶飯事です。立派な肩書の弁護士から恫喝されることもごく普通にあります。

法律事務所は労働環境が悪い

ホワイトを売りにしている事務所もありますが、基本、長時間労働です。普通のサラリーマンの2倍は働くつもりでいてください。土日祝日休めると思ったら大間違いです。昼食は仕事しながらとる人が多いです。また、ボス弁や先輩弁護士からのパワハラも多いです。

弁護士生活は危険が多い

 法律事務所には色々な人が来ますから中には何をするか分からないような人もいます。依頼者はまともでも依頼者の相手方がヤバイ人だったりすることもあります。過去には亡くなった人もいますね。弁護士を利用しようと近づいてくる悪いヤツもいます。また、刑事事件をやるのであれば、ヤクザがらみの事件を避けることはできません。

弁護士報酬のわりに仕事は面倒くさいし責任も重すぎる

サラリーマンと弁護士の両方をやってみた感想ですが、弁護士の責任の重さはサラリーマンの比ではありません。あくまでも主観ですが、1万倍か10万倍くらいの重さだと感じます。にもかかわらず、事件によっては時給に換算するとほんの僅かになってしまうことも少なくないのです。

 

法律事務所に就職した場合の年収については、(最近の就職事情は若干違うかもしれませんが、)新人弁護士ですと、安くて300万円くらい。400万円~500万円くらいが多いですね。(企業法務系の法律事務所はもう少し高いです)これ、サラリーマンの2倍働いて、はるかに重い責任を背負っての金額ですから。実力の有無や優秀かどうかなんて年収とは全く関係がないです。

 

しかも、年に何十万円もの弁護士会費を支払わなければいけません。書籍代もかなりかかります。改正のたびに購入しなければいけません。普通に買っていたら年に少なくとも数十万円は出ていきます。このほかにも奨学金等法曹資格に関連して借り入れた金銭の支払があれば毎月10万円くらい簡単に飛んでいきます。

 

ある方に新人弁護士の年収について話したら、(年収)いいじゃないですか!と言われたことがあるんですが、いいですか?時給に換算すると派遣社員より低いのは計算すれば分かりますよね。

 

新人といっても、一般企業の新入社員とは違います。新人弁護士は弁護士になったその日からベテランと同じ仕事をして重い責任を背負って仕事をしなければなりません。

40代50代ともなれば社会経験もあるわけですから大学出たての何もできない新人君とも違いますしね。

弁護士は昔ほど稼げない

 皆さんご存じだと思いますが、弁護士が増えていることや法テラスの影響もあり、単価が下がってきています。集客に苦労する弁護士も増えています。稼ぐ方法がないわけではないですが、誰でもできるわけではないですからね。

 

弁護士業界は実力無関係の世界ゆえ、どんなに頑張っても優秀でも何をやっても報われない

弁護士の世界は実力社会ではありません。まぁ、これはどこの世界でも似たようなものですけどね。実力の評価というのは簡単ではありませんから。

 

とりわけ弁護士は専門性が高いですから、顧客が弁護士の仕事を適正に評価するなんてあり得ないのですね。 評価が難しいからか見た目の印象や所属事務所、経歴、肩書などで判断されることが多いです。つまり、非正規出身の人には不利に働くことが多いかもしれません。

 

仕事にプライドをもってクオリティの高い仕事をしていても、普通の弁護士には手に負えないような難易度の高い事件で結果を出したとしても、顧客にはそんなの分かりません。

別に評価されるために仕事をしているわけではありませんが、地道に仕事をして難しい事件でもちゃんと結果を出しているにもかかわらず、報われないなぁと思います。

 

ですから、いい仕事をすることよりも、手抜きをして利益を出すことしか頭にない弁護士が多いのですね。(批判する意図はなく、健全だと思っています)

 

法曹界についてはざっとこんなところでしょうか。

こんな感じですから弁護士業界に嫌気がさしたり、弁護士業務を苦痛に感じてサラリーマンに転職する人が多いんですね。

 

食べていけなくてサラリーマンに転職したと勘違いされる方が多いようですが、実は全然違うんですよー。

食べていけなかったんだ!(喜!喜!喜!)って思いたいんでしょうけどね(笑)。

弁護士が企業の法務部門で働くということ

法律事務所に就職できても地獄を見ることになりますが、企業に就職する場合も地獄です。

弁護士業界に嫌気がさしてサラリーマンに転職する人が多いことはすでに書いたとおりですが、サラリーマンに転職後、会社勤めにも嫌気がさして再び法律事務所に戻ってしまう人も少なくありません。

弁護士は企業の採用面接で面接官から侮辱されまくる

企業に就職するまでもいばらの道です。それなりに納得のいく条件で内定を獲得するまでに少なくとも100社は受けることになろうかと思います。バックグラウンドによっては300社とか500社くらい受けないと難しいかもしれません。

やっと書類選考を通ったと思ったら、企業の面接で暴言を吐かれたり侮辱されたりなんてごくごく当たり前にあります。弁護士に何か恨みでもあるのか!と思うほどひどい面接官が時たまいますが、そういった方は多くの場合、司法試験不合格者なんですよね。司法試験に落ちた恨みを被面接者の弁護士にぶつけるなんて本当にケツの穴の小さいヤツですね。

ちなみに、就職時に限らず転職時の面接でも同じ状況です。

弁護士は法律のプロなのに未経験扱いされる

仮に企業法務については「未経験」だとしても、弁護士は弁護士になったその日から法律のプロなのですからすぐにマスターできます。早い人は1か月から数か月くらいやれば、経験豊富なベテランよりも仕事ができるようになります。当たり前ですが弁護士でない人より正確で適切に仕事をこなすことができます。(ちゃんと法律が身についていればですけど。法律ができなくても司法試験には合格できますし、司法修習を受けたからといって実務ができるようになるとは限らないんですね。)

 

もちろん、仕事の内容によっては入社したその日からできることも多いですし、ベテラン社員ができない仕事でも入社したばかりの新人弁護士ができるものも多いです。(← 真面目な話、これ、信じる人ほとんどいないんですよね。弁護士が法律の専門家であるというのはそういうことなんですが。)

 

にもかかわらず、法律知識皆無の法務未経験者と同じ扱いをされてしまうことがあるんですよね。

 

大手法律事務所や名門事務所出身者に採用を限定すると、有能な人材を採用することが難しくなると思うんですけどね。企業としては大きな損失ですよね。

弁護士は法律のプロなのに法律の素人よりも給料が安い

企業に就職または転職する場合、上で書いたように弁護士は「未経験者」として扱われますので、新人弁護士にしてもベテラン弁護士にしても、特別に高い給与がもらえるということはないんです。

 

新人弁護士(企業未経験弁護士含む)の場合、司法試験に合格できなかったロースクール卒の人と同じくらいの扱いなのか、400万円くらいからが多いようです(エージェント談)。

そうなんです。司法試験不合格者と合格者は多くの企業においてまったく同じように扱われているんです。

それどころか、合格者は合格後司法修習に行きますのでその分スタートが遅れるため、同時期に勉強を始めた不合格者よりも低い収入になることが多いですし、下の立場になってしまうこともあります。

 

もちろん、例外はあります。弁護士資格を必須とする求人もごくまれにあります。この場合は、もう少しもらえると思います。

また、年齢をある程度考慮してもらえることもありますし、社会人経験があるということで、その点を評価されてもう少しもらえる場合もありますが、40代以上を採用してくれるような求人自体が少ないので探すのは大変です。

 

にもかかわらず、結構勘違いしている人が多くて困るんです。何が困るって、同僚の中には弁護士なんだから相当もらっているんじゃないかということで、他の同僚よりも難易度の高い仕事をして当たり前、大量の仕事をこなして当たり前という態度をとる人が本当に多いんです!

 

いやいや、私の10分の1の仕事もしてないアンタより給料安いんだけど!

オマエの方がもらってんだから、オマエもっと仕事やれよ!

って言いたくなること多かったです。

弁護士は安月給のくせに大量の業務を押し付けられる

すでに書いた通り、入社後仕事ができることが判明すると、面倒くさい仕事や膨大な量の業務を押し付けられることになります。

ほぼ未経験扱いで低年収で採用されて入社した会社で、ベテラン社員たちの10倍くらい仕事をさせられていたことがあります。しかも、他のメンバーは簡単な仕事まで顧問弁護士に外注しまくってサボっていたのに私は全て自力でこなしていましたから。マジでふざけんな!と思いましたね。

弁護士はパワハラや嫌がらせされる、マウンティングされまくる

これは弁護士は皆経験があると思います。とくにかく弁護士憎し!なんですよ。

すでに書きましたが、企業の法務部には司法試験不合格者が多いですし、不合格者でなくても、弁護士に対抗心を抱く人が多いんです。

はっきり言って、こっちは相手にしてないですけどね。弁護士にならない限り弁護士と同じレベル・クオリティで仕事をすることが不可能であることを知っていますから。

 

私もさんざん嫌がらせをされました。無視は当たり前で、常に私のメールアドレスをCCから外す人もいました。書けませんけど他にもいろいろありましたよ。

 

必死になって私の粗探ししてマウントとろうとするヒマなバカもいました。

↑ ヒマなバカ!!! これ、めちゃくちゃ多いです!

他部署の人の面前で嬉々として私の揚げ足を取ったつもりになっていたヒマなバカがいましたけど、アンタの方が間違ってるから!

社内で私の跡を付け回したり毎日私の服装(靴も)をチェックして気に入らないと上司にクレーム付けるヒマなバカもいました。。 オマエら、正気の沙汰じゃねぇよ!

もちろん、みんな法務の人たちですよ。

 

よく、「●●法、知ってる?」と言って法律の名前を挙げて聞いてくる人がいるんですけど、本当にいい歳してバカじゃないの、って思いますよ。本当にみっともないです。

特に多いのが、下請法とか独禁法とか知ってる?って聞いてくる人。司法試験受験生や司法修習生ですら皆知ってますから。

 

弁護士の方がはるかに多くの法律を扱っています。顧問先のビジネスに応じて様々な業法を扱っていますし。そもそも弁護士になるまでの間に、何十もの法律を勉強してきていますから。

しかも法律のプロである以上、理解度も素人とは違います。意気揚々と法律名を挙げておいて、質問されたら何も答えられない素人さん多いです。

 

弁護士にとって一つの分野について専門書を10冊、20冊と読むのはごく普通のことです。もちろん、専門書だけではないです。必要なものはガイドラインでもなんでも読みますよ。

企業の法務の人って弁護士はガイドラインを知らないと勘違いしているようで、ガイドラインガイドラインと得意げになって言う人よくいるんですよね。ガイドラインのページ数を自慢している人もいました(笑)。その方は自分はこんなに「分厚い」ガイドラインを読んだりしてどれだけ大変で高度な仕事をしているか、ということを伝えたかったようです(笑)。

どれだけ理解できてるのか不明ですけど(笑)。

でも、ガイドラインだけ見ていれば済むなんてずいぶん楽なお仕事されているんですね。

 

読み物だけではないです。弁護士は判例をチェックしたり研修を受けたり勉強会に参加したり常に勉強です。経営法友会の講習受けただけで勉強した気になっている素人さんもいますよね。

 

それより、私はこれまで、東大や早慶法学部卒の一流企業の法務部の人も含めて民法の知識がある人を一人も見たことがないのですけど、これはどういうことなんでしょうね。

 

難関大学の法学部を卒業し、名だたるトップ企業で20年、30年、40年法務一筋でやってきたにもかかわらず民法の知識ゼロのアタマの人が、他の法律をどれだけ理解できるのか甚だ疑問なんですけど(笑)。

 

弁護士業務と比べるとサラリーマンの仕事は簡単すぎ、責任が軽すぎて物足りない

やはり企業での法務の仕事は弁護士の仕事と比べると簡単なんですよね。責任もないし。法律事務所で弁護士の仕事をしてから企業に転職した人は物足りなさを感じると思います。

 

私も、こんなに簡単なのにお金がもらえるなんてサラリーマンてやっぱ楽でいいわぁ~と思いました。

業務を大量に押し付けられて1時間か2時間くらいしか睡眠時間を取れなかった時期もありましたけど、それでも、弁護士業よりはるかに楽だと思いますね。

 

よく、責任のある仕事、責任のある立場、なんて言いますけど、弁護士の背負っている責任と比べたら本当にちっぽけなものですよ、サラリーマンの背負う責任なんて。

サラリーマンの場合、無能ゆえ会社にしがみつかなければならないプレッシャーを仕事に対する責任と見紛っているように見えるんですけど、違いますか?

同僚のミスを指摘して袋叩きに遭う(笑)

企業の法務に従事している方の仕事は弁護士から見ると不十分だったり不適切だったり間違いがとても多いものなのです。

以前働いていた会社で同僚のミスを指摘したことがあります。私も好きで指摘したわけではないですし、指摘と言っても、かなり神経つかってソフトな表現でお伝えしましたが、その後さまざまな嫌がらせに遭いました(笑)。

 

そのため、その後、同僚の法律的な誤りをたびたび発見したものの、見て見ぬふりをしていました。

同僚だけでなく、顧問弁護士がアホ揃いで同僚の法律相談に間違った回答をしたり、成果物にも多くのミスがあったのですが、気付いても知らん顔してました。

企業の法務職に就く人は性格悪い人が多い

法曹もかなり性格悪いですけど、企業の法務の人も性格悪い人が多いです。プライドが高すぎたり自己中心的だったり性格が歪んでいたり(サイコパス系っていうんでしょうか)極端に陰湿だったり。

性格が悪くなくても癖のある人も多いですね。

私は今まで色々な部門で働いてきましたが、法務部門は本当に特殊だと感じます。

 

なので、苦労しますよ~。

 

企業へ就職する場合はざっとこんな感じです。仕事そのものは楽でも人間関係で苦労したり、給与が低かったりなかなか思うようにはいきません。年収については転職を繰り返して上げていくしかないですね。弁護士登録してから数年以内に最低でも600万円~700万円(出来れば800万円~1000万円)を目指しましょう。なるべく安売りはしないほうが良いです。

40代50代が弁護士を目指すのも悪くないかも?

法曹資格を取得しても苦労の連続です。

法曹資格の取得に逆転できるほどのインパクトはありませんが、平均的なサラリーマンくらいの給料を得ることは難しくないでしょうから、非正規よりはマシかもしれません。選択肢も増えるでしょう。

商才や運があれば、逆転の可能性もないわけではありませんしね。

 

弁護士は法律のプロです。弁護士になったその日から法律のプロとして弁護士業務を行うことになります。新人弁護士も弁護士経験10年、20年、30年、40年の人たちとやることは何も変わりません。

弁護士である限り法律の勉強は一生続きます。責任も重いですし超大変ですけど、やりがいはあるかもしれないですね。

 

司法試験はアタマの良し悪しは関係ありませんので、心配はいりません。法学部出身でなくても問題ありません。今は落ちる方が難しいほど簡単な試験になりました。今が一番簡単ですから、今がチャンスです!

働きながらでも全然余裕です。土日だけ勉強すれば十分です。

 

ただ、個人的な見解ですが、法律よりも前回の記事で触れたIT関係の勉強や英語の勉強に時間をかける方がはるかにコスパが良いとは思いますけどね。

 

弁護士は嫌がらせされると書きましたが、司法試験を目指しているときでさえ、周りから色々余計なことを言われます。そして、合格後も、周囲の人や親戚からも陰口を叩かれたり嫌味を言われたりすることが多いです。

弁護士というのは常に人のコンプレックスを刺激する存在なんです。

 

いったん弁護士になってしまうと弁護士になる前の風景を見ることはできなくなりますし、弁護士になる前の生活に戻ることもできなくなります。

 

以上のような感じですが、それでも良ければ、法曹界を目指されてみてはいかがでしょうか。