ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

40代以上の派遣社員から正社員に転職する方法!派遣で働いてチャンスを掴む!

大変ご無沙汰しております。ヴィヴィアンです。

前回↓↓↓は上京して仕事を探しましょう!ということで、部屋の借り方などについてお話ししました。

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今回は、派遣社員として働くことを検討している人向けに、派遣の仕事の探し方など派遣業界のあれこれについて書くことにしました。派遣で働いたことのない人を想定して、派遣について一から説明していきます。

 

派遣というとネガティブなイメージを抱いている人が多いと思いますが、以前下記の記事で書いたように無理やり正社員を目指すよりも派遣で経験積んでスキルを磨いてからの方が正社員へ転職しやすくなる場合もあります。

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それに派遣って結構使えるんですよ。最近はフルタイムだけでなく短時間勤務や週に2,3日勤務の求人もありますし、短期間だけというのもありますし、便利なんですよね。最近副業する人が増えていますけど、派遣社員として副業する人も増えるかもしれませんね。

派遣であれば、正社員として入社するのが難しいような大企業で働くこともできますし、それはとても良い経験になります。

 

あと一つとても大事なこと。派遣会社というのはマトモではないということを知っておいてください。派遣会社の営業さんやコーディネーターさんのことは基本的に信用してはいけません。もちろん、例外はありますよ。

 

この点、パソナを目の敵にする人や派遣制度自体を否定的に見る人もいますが、私が言いたいのはそういうことではないんですね。パソナは派遣会社の中ではかなりマトモで良心的な企業だと思いますし、派遣会社が派遣社員から搾取しているというのも一般論としては正しくありません。

 

派遣会社は派遣先企業よりも常に下の立場ですし、同業他社との競争も激しく非常に厳しい世界ですから、どうしてもそのしわ寄せが派遣社員に行きやすいところはあると思います。でも、先ほども言ったようにとても便利な制度ですから、派遣会社とはうまく距離を取りながら利用すればよいと思うんです。

 

目次:

派遣社員の求人の見方

派遣社員の仕事は職種だけでなく、業種、具体的な仕事内容や時給、勤務地、期間、勤務時間、勤務日数、残業時間などの条件を確認したうえで応募することができます。こういった点は正社員とあまり変わりませんね。試しに派遣会社のサイトで求人を見てみてください。大手派遣会社の求人は比較的詳細に記載されています。中でもリクルートスタッフィング(登録者向けのページ)は一番詳細に書かれていると思います。

 

求人に「20代、30代が活躍しています!」などの記載がある場合がありますが、おそらく40代以上は遠慮してね、というサインだと思います。

 

気になる点があれば、派遣会社に問い合わせたりしてもよいですし、面接に進んでから面接の場で直接確認してもよいでしょう。ただ、大事な点は必ず面接で派遣先企業に確認すべきです。なぜなら、求人の内容は間違いが多いですし派遣会社の言うこともあてにならないからです。

ちなみに、派遣業界では「面接」と言わずに「職場見学」と言うのが一般的です。

 

重要なポイントは仕事内容は当然として、派遣期間でしょうね。

多くの企業では長期前提の仕事の場合、初回が1か月か2か月くらいの契約でその後3か月契約になることが多いです。長期前提の仕事の場合に契約を更新せずに短期で辞めようとすると派遣会社から引き止められたり場合によっては脅されたりして結構揉めることになります。今から20年くらい前の話ですが、某大手派遣会社に契約を更新しない旨を伝えたら、本社に呼び出され1時間説教されたり脅されたりしたことがあります。

もちろん、長期前提の仕事だからといって、契約を更新しなければならないわけではありません。逆に、長期前提の仕事でも企業が契約更新しない場合もありますので注意が必要です。

 

ちなみに、長期前提というのは、正確ではないですが、契約更新を重ねて数年間の就業の可能性がある場合などを意味していることが多いです。長期間の契約をするわけではありませんし長期間の契約が約束されているわけでもありません。

また、求人に3か月などの短期間の仕事で更新はなしと記載されていても、実際には更新が予定されている場合もあります。

派遣会社への登録

応募するには派遣会社への登録が必要です。登録を拒否されたり、登録できても仕事を紹介してくれない場合があるかもしれません。ですが、派遣会社は星の数ほどあるのですから、別の派遣会社に登録すればよいだけです。

一つの派遣会社に登録するだけでは自分の求める仕事をゲットするのは難しいですから、何社か登録しておきましょう。ちなみに私は数十社登録していました。その中から実際に利用するのは大手中心に5~6社でしたね。

 

大手は良くも悪くも機械的に対応する傾向があります。中小の派遣会社のほうが親身になってくれる可能性が高いと思います。ただ、中小の派遣会社は扱う案件が少ないので選択肢が狭まりますし、時給も低い傾向があります。タチの悪い派遣会社もあると思います。とりあえず、大小色々な派遣会社に登録してくと安心です。

 

登録する際は、エクセル、ワード、パワポ、(アクセス、)日本語入力、テンキー入力のテストや性格検査、適性検査などを実施する派遣会社もあります。OAやタイピングについては事前に練習しておくとよいでしょう。

 

登録時には派遣会社の方との面接があります。要領は基本的に正社員の面接等と同じですね。スーツが基本です。部屋に入った瞬間からチェックされています。そして、面接の際の記録はデータベースに残ります。ですので、派遣の登録面接だからと言って油断しないことです。

派遣先企業への応募

派遣で働く目的を実現できる求人に応募しましょう。

もっとも応募しても、同じ派遣会社に登録している複数の応募者の中から選ばれなければなりません。これを「社内選考」といいます。条件が良くスキルがあまり必要とされない仕事は倍率が何十倍にもなると聞きます。

この社内選考を通過して、派遣先企業と面接をすることになるわけですが、ここでは、他の派遣会社からの応募者と競うことになります。

面接後、たいていは当日か遅くても次の日には結果の連絡が来ます。なかなか来ない場合は他の応募者と天秤にかけているか、決め手に欠けていてキープされている場合などが考えられます。

 

数日待って連絡が来なければこちらからお断りするのもありでしょう。なぜなら、派遣の場合、一つの派遣会社からは1つの企業の求人案件しか選考を進めることができないのが一般的だからです。つまり、結果を待っている間は他の求人の選考を進めることができないんですね。

もっとも、他の派遣会社から応募して選考を進めるのはOKです。ただし、他の派遣会社から応募して選考が進んでいることを派遣会社の担当者に言ってはいけません。たいてい、派遣会社の担当者に、他社から応募して進めている案件はないか聞かれますが、必ず「ありません」と答えましょう。

 

この点は、転職エージェントと大きく異なる点ですね。転職エージェントでは同一エージェント内で複数の求人の選考を同時に進めることができます。

 

経験上、大企業ではほぼすべて当日か翌日には結果の連絡が来ましたね。大企業でも1社だけ待たされたことがありましたが、はじめてのポジションのため手続等に時間がかかるという理由でした。

逆に中小企業は待たされることが多かったので、2、3日待っても結果が出ない場合はこちらからお断りすることが多かったです。おそらく待っても良い結果は得られなかっただろうと思いますね。

 

最近はどうだか知りませんが、昔は企業が10社くらいの派遣会社に声をかけることもめずらしくなかったようですから派遣社員と言っても狭き門でした。つまり、社内選考で何十倍の倍率をくぐり抜け、面接の段階では多くの派遣会社から紹介されてきた候補者と競うのですから、倍率的には正社員とそれほど変わらなかったのではないかと思うんですね。

派遣先企業との面接

派遣先企業の面接も基本的に正社員の面接などと同じです。

仕事内容などきちんと確認することが大切です。派遣会社の担当者は実際の仕事内容を把握していないことが多いですし、求人の仕事内容も間違いが多いためです。

 

ちなみに、派遣会社の営業さんが同席するのが一般的ですが、置物のようにただ黙ってその場にいるだけですので、何の役にも立ちません。何のためにいるのか分かりませんが、そういうもんだと思ってください。

 35歳定年説?派遣は何歳くらいまで働けるのか?

年齢に厳しいのは正社員と同じです。もっとも、厳しいと言っても以前は35歳を過ぎたら難しくなると言われていましたが、現在では40代の派遣社員の方も多く活躍されていますし、50代や60代の方もまだ少ないですが見られるようになりました。今後、50代や60代の派遣社員の方ももっと増えていくのではないでしょうか。

スキルシートとは?

なお、派遣会社は派遣先企業に対して応募者の履歴書や職務経歴書は提出しません。提出するのは派遣会社が作成するスキルシートと呼ばれる職務経歴書のようなものです。このスキルシートには氏名や生年月日、住所、学歴等は記載されていませんし、これらの情報は原則、派遣先企業には知られていないはずです。

 

スキルシートは派遣会社のデータベースに登録されている情報をもとに作成されますが、そもそもデータベースに登録されている情報はデタラメが多いんですよね。(ただし、派遣会社によります)

しかも、職歴が多い人の場合、スキルシートに職歴をまとめて記載することになるのですが、このまとめ方が適当すぎて実際の経歴が適切に反映されていることはまずありません。

 

通常、面接直前に営業さんにスキルシートの内容を確認するよう手渡され、その場でさっと確認することになるのですが、えっ!これ私の経歴なの?!ウソっ。。と毎回思います。

盛って書いてくれてるのであれば良いのですが、逆なんです。経験した専門的な仕事や高度なスキルが必要な仕事はひとつも記載されておらず、ほとんどすべて庶務や一般事務と記載されしまっているんです。

なんでこういうことするかなぁ?といつも思うんですよね。

派遣社員の時給について

事務系でしたら時給3000円くらいまでは運と努力次第で可能です。IT系であれば5000円くらいが上限のようです。一般事務ですと、東京23区では1600円~1700円くらいが一般的でしょうか。でも、これ20年前と変わってないんですよね(笑)。

OA事務は一般事務と同じか、運が良ければ2000円以上もらえることもあります。もっともOA事務といっても内容はさまざまなんですね。単にエクセルやワード等のオフィスソフトを使用する頻度が高いというだけの場合もあれば、そこそこのプログラミングスキルが必要とされる場合もあります。

ですので、面接でちゃんと仕事内容を確認する必要があります。派遣会社に確認してもダメです。

 

また、法務、人事、経理等も仕事内容によっては一般事務よりももらえることが多いですね。これらの職種については最近フルタイムではなくパートタイムの派遣の仕事が増えてきていますが、勤務時間が少ない分時給が高くなります。だいたい時給2000円~3000円くらいが相場です。

 

また、時給UPは望まないほうが良いでしょう。派遣先企業としてはコストを下げるために派遣社員を使っている場合が多いですから、時給を上げるくらいなら他の派遣社員でよいと思うかも知れないですね。

 

頼んでもないのに派遣先企業の方から時給を上げてくれる場合がありますが、派遣社員の時給に反映されることはほとんどありません。そもそも派遣先企業が時給を上げてくれたところで、派遣社員にその事実を知らされることはないですから無意味なんですよね。これは、本当に派遣先企業にも知ってほしいです。

実はちょっと迷惑なんですよ。派遣先企業に時給上げてやったんだから、と思われていたとしたら気持ち悪いじゃないですか。派遣社員は何も知らないんですから。

派遣のマージンは高いのか?

事務系の派遣であれば20%~30%くらいが一般的です。派遣のマージン率を高すぎると言う人がいるようですが、まぁ、こんなもんかなと思いますね。30%程度で搾取だと言う人がいますが、無知もいいところです。マージンが派遣会社の売上のメインなのですから、このマージンから、派遣社員の社会保険料、有給休暇、派遣会社の運営費などすべてを賄わなければなりません。

計算すれば、ギリギリなのは分かると思います。派遣会社がらみの記事が出ると、待ってましたとばかりにヤフコメにマージンが高いとか、搾取とか、パソナが悪徳企業だとかバカの一つ覚えのように毎回同じことを書き込む人たちがいますけど。

 

一緒に働いていた派遣社員の方で40%とられている方がいましたが、仕事の内容からしたら妥当か若干高い時給だったと思います。派遣先企業がいくら支払っているかというよりも、派遣会社が支払う時給で自分が納得できるかどうかだと思います。

 

なお、派遣サイトの求人を見ていて興味のある仕事を見つけた場合、その求人に応募してもよいですが、少しでも高い時給で働きたい場合は、応募する前にその求人と同じ求人が他の派遣会社からも出ていないかググってみるとよいです。

なぜなら、他の派遣会社のサイトでは同じ求人がもっと高い時給で掲載されている可能性があるからです。

同じ求人なのに何百円も違うことがあるんですよ。

 

また、どうしてもその仕事をしたいという場合、複数の派遣会社から応募してもよいと思います。ただし、両方社内選考を通過してしまうと面倒なので、一つの派遣会社から応募して社内選考で落ちた場合にもう一つの派遣会社から応募すると良いと思います。

時給と仕事が釣り合わない場合にどうするか?

入社してみたら、時給からは想像もつかないような難易度の高い仕事だったりすることがあります。

これはさすがに搾取されている!と思う人も多いかもしれませんが、でも、これもチャンスなんですよ。

難易度の高い仕事をこなせるよう努力して、なんらかのスキルを身に付けることができれば、次にそのスキルを武器に転職すればよいのですから。可能であれば1年くらいは我慢して働いてみましょう。次にはそのスキルを武器にもっと時給の高いところを狙うか、正社員に転職してもよいでしょう。

派遣社員は社会保険に入れないのか?

なお、派遣社員や契約社員などの非正規でも加入要件を満たせば社会保険に入らなければなりません。

加入要件を満たしているにもかかわらず社会保険に加入させない悪質な会社もありますので、加入要件を満たさないと会社から言われた場合には本当に加入要件を満たさないのか労基署などに確認した方が良いと思います。

派遣社員のケースではないですが、契約社員の無知に乗じて、(契約社員であるにもかかわらず、)契約社員ではなく個人事業主だから加入資格がないとウソをついて加入させていなかったケースを知っています。

 

逆に、派遣社員で社会保険の加入要件を満たしている場合でも、例外的に加入しなくてよい場合があります。社会保険に加入したくない方は派遣会社に確認してみましょう。

派遣会社から仕事を紹介してもらえない場合

ブランクや年齢、経歴などが理由でなかなか仕事を紹介してもらえないことがありますよね。ただ待っていたら時間だけが過ぎ、さらなるブランクが発生しますし、生活のこともありますよね。とはいえ、生活のために何でもよいからと妥協して何のスキルも身につかないような仕事に就くのはおすすめしません。

 

ブランクがある場合など派遣会社から仕事を紹介してもらえないときについては、以前以下の記事で書きましたので参考になさってください。

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派遣会社の担当者とやり取りする際は丁寧な対応を心がけましょう。

社内選考に落ちたときに、代わりの仕事を紹介してくれることもあります。派遣仲間の中には、派遣会社の営業さんと仲良くなって優先的に条件の良い案件を紹介してもらっている人もいましたね。

 

派遣会社からの電話はできるだけとるようにしましょう。電話をとれなかった場合でもすぐに折り返し電話した方が良いです。なぜなら、派遣会社は他の派遣会社と競っていますので、少しでも早く候補者を決めたいんですね。ですから、電話をとれなかった場合、他の人に決まってしまうことがあります。

派遣も結構大変

派遣についてはだいたいこんなところでしょうか。

派遣はとても便利と書きましたが、大変なこともないわけではないです。

 

派遣は非常に立場が弱いです。派遣先企業の上司や同僚からバカにされたり嫌がらせをされることもあります。社員のミスをなすりつけられることは日常茶飯事です。派遣社員を召使と勘違いしている人も多いです。業務と全く関係のない社員の私的な雑用を強要されることもあります。ある超大企業では、私の机の上やその周辺にゴミを置いていく人が何人もいました。昼休みなのに電話番を当然のように強要されたり。ウソの理由で契約期間の途中で某大企業をクビになったこともあります。セクハラのターゲットにされる人もいますね。私はなぜかセクハラだけは一度もないのですが(笑)。セクハラに遭った同僚はその後会社をクビになってしまいました。

 

弁護士として経験を積んでもなお、エージェントとの面談や正社員の面接でなんで派遣なんかやっていたんだと責められたり、派遣のような楽な仕事しかしてこなかっただのと説教されたり、派遣をやっていたのが気に入らない、派遣なんかをやっていた人に仕事ができるはずがないという理由で面接を落とされたこともあります。← この最後のエピソード、かなり根に持っているので他のところでも書いたかも(笑)。たぶん、またどこかで同じ話書くと思います(笑)。

 

たぶん、氷河期などなくて新卒で大手企業に入社してずっと正社員をやっていたら、バカにされまくったり人として扱われないことの屈辱を経験することも貧乏生活を経験することもなかったと思いますし、仕事を得ることの大変さも知ることはなかったでしょう。こういった経験をしなかった場合の自分を想像すると、ちょっとゾッとします。世間知らずで傲慢でアンポンタンな感じの全く違う自分になっていたかもしれません。(← こういう人、法曹とか公務員とか大手企業によくいるよね) もはや自分ではないですね。

 

正社員も上司や同僚からバカにされることはありますし大変という人がいますが、質が違うんですよ。派遣社員に対する正社員や社会や世間の態度は身分差別そのものなんですよ。派遣をバカにする合理的根拠などありません。しかも、多くの人にとっては簡単には派遣から脱却できず本人の力では如何ともしがたいわけですから、深刻な身分差別です。人は差別したくてたまらない生き物ですから、派遣は絶好のターゲットになってしまうんですよね。

 

ですけど、やっぱりお手軽で便利なんですよね。派遣って。ずっとやるものではないかもしれないですが、必要に応じて使い分ければよいと思います。

賢く派遣制度を利用して是非正社員へのチャンスを掴んでください!