ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

なぜ沈黙してはいけないのか?女子学生の就職氷河期 その2

長い間ブログほったらかしにしてたくせに、ここ最近、書きまくっているヴィヴィアンです。ごきげんよう。

よーし、今日もガンガン行くぞ~(笑)。

 

前回は、女子学生の就職氷河期を男女雇用機会均等法とのからみで書いてみました。今の無知な若い人に限らず日本人全体が、就職時の女性差別はなかった、と思い込んでいる要因として同法の存在は無視できないなぁと思ったのです。

vivien-moriya.hatenablog.com

それはそうと、もう25年~30年前後経とうとしています。数十年の間、なぜ、這い上がれなかったの?本人の努力・能力不足じゃないの?

心なき声が聞こえてきそうです。

 

なかなか、深刻さが理解されていないのですよね。

 

要するに、こういうことなのです。短絡的な思考をする頭の悪い人が増えたため、ここ数十年の間に社会が急速に変化したことを全く考慮せず、今現在の社会情勢等を前提にして30年前の氷河期を評価してしまっているのですね。

 

さらに、冴えない自分のキャリアをごまかすために氷河期世代を装うアラフォー世代が増えているのも一因でしょう。楽勝だったアラフォー世代を氷河期世代と誤って認識してしまうと、氷河期が全く別物になってしまいます。

リーマンショックなんて氷河期と比べたら大したことないです。求人倍率だけで比較しても無意味です。

 

当時の総合職志望女子学生の置かれていた状況というのは、今現在に置き換えると、

 

大学3年生のときに新卒採用制度が撤廃され、大企業は正社員を永遠に一切採用せず、中小企業も45歳以上しか正社員として採用しないというルールを設け、さらに、一般職正社員、契約社員や派遣社員からの総合職正社員への転換も難関試験を設け厳しい人数制限を設ける、くらいの感じでしょうかね。

 

これ、今の脆弱な若者が耐えられますかね?どうやって這い上がるんでしょうか?パパやママに助けてもらうのでしょうか?つい最近のコロナ下でのほんのわずかな採用抑制に、無様にもオロオロしている学生たちがたくさんいましたよね?

 

結局のところ、当時の転職事情等に照らし、リカバリーできたかどうか、という点が一番重要になってくると思います。また、当時の労働環境の悲惨さも無視できません。なぜなら短期離職につながるからです。当時短期離職は完全にアウトでした。第二新卒採用がなかったですし。

 

そんなわけで、今回は、氷河期(特に前半世代)と現在の就職・転職事情の違いについてあれこれ書いてみました。

 

ここ数十年の目立つ変化として、深刻な人手不足・若者不足で引く手あまた、採用基準がゆるゆるになり、未経験OKの年齢が20歳ほど上がり、若ければ短期離職しても転職できるようになりました。インターネットやSNSを利用しての就職・転職活動が一般的になり活動も容易に。また、女性差別が禁止され女子も総合職として採用されるようになり、大企業を中心としてホワイト化が進み労働環境が大きく改善、若手社員は社内でもお客様扱いですからストレスも少ないでしょう。

やっかいなのが、現在ホワイトとして知られている企業の一部は、当時ブラック企業だったという点ですね。氷河期世代の昔の職歴を見て、劣悪な労働環境で退職したにもかかわらず、こんな恵まれたホワイト企業を短期間で辞めるなんて、本人に問題があるはずと思われてしまうんです。

 

今は40代前半までは完全未経験(正社員未経験、職種未経験どちらも)でもそこそこの企業がそこそこの待遇で正社員採用してくれます。若ければ、就職がうまくいかなくても、数か月で辞めても何度でもやり直しができます。

また、女子でも学歴に見合った企業に総合職で入れるようになりました。これはかなり大きいです。学歴に見合わない企業だと妬まれて嫌がらせされるからです。一般職の短卒女子にはさせないのに総合職の高学歴女子だけにコピー取りとお茶くみをさせるとかね。こういうゴミみたいなヤツ、ほんとにいるんですよ!

 

氷河期世代については、新卒就職で躓いてしまったら最後、やり直しのチャンスなんてなかったも同然でした。ブラック企業で数年我慢して働いたのに短期離職した頭のオカシイ人扱いで、転職はほぼ不可能でした。第二新卒もなく派遣で働くことも難しかったです。 新卒はもちろん中途だって女子の総合職枠なんてわずか、氷河期前半世代については、景気が少し戻ってきたころは30代、当時、資格を取っても30代未経験なんて全く相手にされず、もうどうにもならない状況に陥っていました。

 

新卒で入った会社がブラックで短期離職となり、その後転職活動するもまともな企業には相手にされず、やむなく再びブラック企業に入るも続くはずもなく、短期離職。そして、職歴がどんどん汚くなり、ますますまともな企業からは見向きもされなくなり、という負のループに陥ってしまった人もいたと思います。

 

当時の転職市場、一般企業の内情について、思いつくままに挙げてみました。

当時の転職市場ってこんな感じ

ちなみに、正社員の転職市場のみならず、大手派遣会社は大体、正社員経験2、3年を必須としていました。また正社員で経験した職種しか紹介してくれませんでした。旧帝大や早慶を出た女子が派遣社員にさえなれなかった時代です。正社員がだめだから派遣になった、というアラフォー世代とは違うのです。

・女性総合職の募集はわずか

・3年未満の退職者は採用不可 (クソみたいな例のことわざのせいですね)

・20代でも正社員未経験者は採用不可

・20代でも職種未経験者は採用不可

・第二新卒の採用なし (氷河期前半は第二新卒という概念自体なかった)

・エージェント利用は一般的ではなかった (私は「とらばーゆ」を利用してました(笑))

・職歴が微妙だとエージェント登録不可 【これは今も!】(弁護士資格取得後もパソナキャリアからハローワークに行けとお断りされましたから当時はもっとひどかったでしょうね)

・ネットで情報を収集することが一般的ではなかった

・転職自体今ほど一般的ではなかった

大卒女子から見た当時の一般企業ってこんな感じ

特に女子の場合、総合職にこだわると大手は募集がないので、基本ブラック企業に行くかフリーターくらいしか選択肢がなかったわけですが、入社しても、女性差別に加え学歴に対する嫉妬で、嫌がらせされたり、社員のレベルも仕事のレベルも低く、実力に見合わない業務しかなく、話も合わず、意味不明な慣習が多かったり、メンタルやられる人もいたと思います。

 

東大卒女子が、高卒と中卒の人しかいない零細企業で働くことを想像してみてくださいよ。

 

・現在の基準だとほとんどブラック企業だった

・上司や同僚がアンポンタンすぎて話が通じない 【これは今も!】

・上司や同僚がボンクラすぎて無駄な業務に追われる 【これは今も!】

・上司や同僚の間違いを指摘して嫌がらせされる 【これは今も!】

・会社のレベルが低すぎて、男性と同じ仕事をさせてもらえても簡単すぎて嫌になる 【これは今も!】

・会社のレベルが低すぎて、明らかにオカシイ仕事のやり方を強要される 【これは今も!】

・総合職で入ったのに男性の補助しかさせてもらえない

・自分より出来が悪くサポートしてあげている男性の給与の方がべらぼうに高い 【これは今も!】

・総合職の仕事に加えて男性の補助までさせられる 【これは今も!】

・仕事をもらえない {男性は家庭を背負っているから男性に優先的に仕事を振るので、あなたには仕事ないです、と配属直後に言われました(怒)}

・誰もやりたがらない余った仕事しか振られない  【これは今も!】というか、誰もやりたがらない仕事させられます

・サービス残業させられる 【これは今も!】{いつもサービスしてたので、たまにはと思い少しだけ残業付けたら、なぜか同期に鬼の形相で睨みつけられ、「はぁ?どういうつもり?!」とケンカ売られました}

・新人研修だとか中途入社者研修なんてない 【これは今も!】 {当時不況で、コストカットで研修がなくなったり、内容を大幅カットされたりしたんですよ。ただ、おかけで自分で勉強する癖がつきました。} 

・引継ぎなんてないし誰も何も教えてくれない 【これは今も!】 {教育担当の女性たちの嫌がらせで私だけ一切教えてもらえず、新入社員の頃からゼロからすべて一人でやるのが当たり前だったので、どこに行っても何とかできてしまうスキルが身につきました。女性の先輩方の嫌がらせのおかげです!(笑)} 

・自分の方が周りより学歴が上だし若くてピチピチなので嫌味を言われたりいじめられる {私もいじめを受けていたようなのですが、気付いておらず、同期が教えてくれました(笑)。正直、ショックでした(笑)。私がいじめられていることは社内でも有名だったらしいです。若い頃、いじめ検知センサーがめちゃくちゃ鈍かったんですよね(笑)。}

・良く分からないことで注意される 【これは今も!】 {斜線を右下がりで引いたら、アナタ以外は全員左下がりだ、一人だけオカシイ、なんかいつもアナタ一人だけちょっと違う、と怒られました(笑)。} 

・30歳以上の女性社員がほとんどいなかった {せいぜい30代前半くらいまででしたね。 ただ、まれに、どこからやってきたんだろう?と思うような40代とか50代のゴッドマザーみたいな気の強い女性が1人いて男性ばかりの職場を仕切っている光景を目にすることがありました(笑)。女性は20代で辞めていくのが当たり前の中、持ち前の人心掌握術と鋼の心臓で男社会を生き抜いてきたのだと思います。私は見た目がチャラく意識低い系腰掛女子に見えたからか、こういった女性からは100%間違いなく嫌われました。}

・有給をとろうとすると怒られる {夜の7時に食堂に来て、と言われ、行ってみたら非常識だ!と1時間説教されたうえに泣かれました。}

・妊娠したら肩たたきされる (育休なんてとれない)

・女性と男性で配布される備品・機械類に差がある {女性だけパソコンなしの会社にいました(怒)}

・会議中、みんなタバコ吸ってる

・セクハラはあって当たり前

・パワハラは当然あった 【これは今も!】

・法治国家とは思えないほど、法律違反が横行している 【これは今も!】 

・もうとにかく環境が悪い

 

・・・なんとなく、ノリで【これは今も!】マーク付けちゃいました(笑)。何をしているのか少しわからなくなってきました(笑)。  

(少なくなったけど今もこういう会社あるよね、自分もこういうの最近あったな、と思ったのになんとなく付けているようです。)

{ }のコメントは若手時代の思い出です。いろいろありました。