ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

氷河期世代の救済は手遅れなのか?氷河期問題の本質は何か?

こんにちは。ヴィヴィアンです。

前回↓↓↓は派遣社員として働くにあたって必要な知識などを書いてみました。

vivien-moriya.hatenablog.com

これまで氷河期世代で不本意ながら非正規で働いている人向けに這い上がるためのヒントを書いてきましたが、もうそろそろ書くことがなくなってきました(笑)。正直なところ、結構書くの面倒くさかったです(笑)。そんなわけで、今後は氷河期以外のことも書こうかなと思っています。と言いつつ、今回はまた氷河期についてです(笑)。しつこくってすみませんね。

 

いや、よく氷河期関係のネット記事が出るじゃないですか。結構な数のコメントがついていますよね。やっぱり、氷河期ネタってみんな色々言いたくなるんでしょうね。で、あのコメント読んでいるとイラッっとすることがよくあるんです。コイツなにも分かってねぇ!って。

コメントだけでなく記事自体もズレてるんだよなぁと思ったり、だから何よ?って思うような中身のない記事が多いですよね。とりあえず、氷河期についてなんか書けばアクセス数を稼げると思ってるんでしょうね。

 

目次:

ヴィヴィアンがイラッとする記事・ヤフコメ その1

氷河期世代は上は50代前半くらい、下は40歳くらいです。そんなわけで、40歳、50歳になるまで正社員としてキャリアを積んでこなかった人は救済のしようがない、もう手遅れだという意見をよく目にします。

多くの人がそう思っているのでしょうけれど、私はそうは思いません。手遅れだとは全く思いません。それは言い訳だと思います。

 

ところで、キャリアって何なんでしょうね。

でも、「正社員としてのキャリア」と言っているときの「キャリア」は、単に「正社員として働いた経験」くらいの意味しかないと思います。なお、氷河期世代で現在非正規でも過去に正社員だった人はそれなりにいますよね。

 

では、なぜ正社員として働いた経験がないからって手遅れなんでしょうか?

客観的には正社員と非正規の間には雇用形態の違いしかありません。

仕事内容に本質的な違いはありません。正規の職員だからって特別難易度が高い仕事をやっているわけではありません。私はこれまでいろいろな会社で働いてきたわけですが、年収800万円とか1千万円以上もらっているような正社員で派遣社員と同じかより簡単な仕事している正社員をたくさん見てきました。非正規の仕事の多くはもともとは正規の人がやっていたものですし、正規の人が休職したり育休を取るときに派遣社員が穴埋めに入ったりすることもあります。非正規の人が正規の人と同じ仕事をしている職場は非常に多いです。また、正規の職員にはできる人がいないために非正規の人を使うこともありますよね。専門性の高い仕事をする非正規の人もいます。逆に、正規の人でだれでもできるような簡単な業務しかやっていない人もたくさんいます。

一部の業務を除き、3年も5年も経験を積まないとできないような正規社員の仕事などありません。非正規の人でも有能な人であれば、一流企業のベテラン社員がやっているような仕事もすぐにできるようになります。

 

つまり、何が言いたいかというと、スキルやキャリアについて正規と非正規とで分けて考えることに合理性はまったくなく、「正社員としてのキャリアがない」ことは非正規の人を救済しない理由にはなりえないということです。

 

また、あくまでも一般論ですが、氷河期世代の派遣社員は、中小企業や大手子会社の若手正社員よりもマナーが良くてアタマの出来がいい人が少なくありません。

これは、当たり前のことなんですよね。20代や30代はまあまあの大学さえ出ていれば一流企業(子会社ではなく本体)に簡単に入社又は転職できるのですから、中小企業や大手子会社(子会社といっても一流大手もありますけどね。そういうのではなくパッとしない子会社のことです。)にはどうしてもアタマが悪かったり教養のない20代30代が集まりやすくなります。

実際に、中小企業や大企業の子会社の若手と一緒に仕事をしたり、かかわったことがありましたが、仕事のできないバカばっかりでした。アタマが悪いだけではなく、日本語の読み書きや理解にも問題があるんですよ。しかも、仕事に対する考えが激甘なんですよ。責任感もないし。仕事を得ることに苦労した経験がないですから。「私、こういうのやったことないからできません!」とか平気な顔して言いやがる。「はぁぁぁ~?!!キサマァ!ふざけじゃねぇぞぉ!やったことがないって、だから何なんだよ!やったことがないからできないとか言ってたら全部できないってことじゃねぇか!一生できるようにならないじゃねぇか!出来ねぇのなら辞めちまえぇ~っ!!オメぇの方が、アタシより給料多くもらってんだよぉっ!オカシイと思わねぇのかぁぁ!」って内心思います。なんでこんなふざけたやつらが正社員なんだよ!氷河期世代の非正規に譲ってやれよ!って思います。

 

20代や30代よりもやる気があって仕事のできる氷河期世代は吐いて捨てるほどいますから!是非!20代や30代ではなく氷河期世代を雇ってください!経営者の皆様!

 

すみません。話が少しそれました。戻します。

正規の仕事も非正規の仕事も同じですから、正規も非正規もスキル面での違いはないことになります。そうすると、結局のところ、現在の氷河期問題のメインは40代、50代になって正規の職に転職できるのか?という一般的な問題に帰着するように思うんです。ただし、転職市場においては、非正規に対する差別があり、不当に低く評価されてしまうために正社員への転職は通常の正社員の40代50代よりも非常にハードルが高くなるということです。40代50代の場合、非正規に限らず年齢差別がありますから、40歳を超えた氷河期世代には非正規に対する差別と年齢差別の2つの差別が大きな壁になっているわけですね。

 

つまり、氷河期問題の解決のネックの一つは「差別」に他ならないと思うんですね。

非正規に対する差別と年齢差別をなくして実力通りに評価されるようになれば、非正規の人も正規の仕事をゲットできることになります。ですが、差別をなくすなんてなかなかこれが難しい。

 

この非正規についての差別は非正規の人に対してだけではないんですよ。過去非正規だった人も差別されています。もうこれまで何度も書いていますけど、私が弁護士になった後でさえも、中途採用の面接ではまるで警察の取り調べのように、なんで派遣なんかやってたんだ!?とかなんですぐに仕事を辞めたんだ!?(←超ブラック企業だったんですよ)とか責め立てるように言われ、まるで罪人のように扱われるんですよ。本当に勘弁してほしいですよ。もう20年以上前のことですよ?

 

差別が問題なのに国も世論も、「正社員としてのキャリアを積んでいないから」とあたかも氷河期世代の側に問題があると錯覚させるような言い方をしているんですよね。これ、本当に卑怯だと思います。差別と向き合いたくないだけでしょう。面倒くさいですから。

氷河期世代のキャリアの問題とし、氷河期の非正規の人が何もできないとかスキルがないとか非正規の人が正規の人よりも劣っていると決めつけるかのような国の誤ったメッセージや世論は、自信や希望を無くしてしまった非正規の人たちをさらに失望させることになります。

 

個人レベルでも氷河期世代のキャリアの問題と捉えている人が多いですけど、このような幻想は他人よりも優位に立ちたい、人を見下したい、自分の椅子を奪われたくないという自己防衛本能や、自分は優秀なはず、自分の長い正社員経験は価値あるものという自惚れに起因しているものと思います。

 

国はこのまま、あと10年もすれば氷河期世代もあきらめて何も言わなくなると思っているのではないでしょうか。それまでは、正社員としてのキャリアが云々と言い訳して根本的な解決案を提示せず、ハナからやる気ないくせに中途半端にやっているフリを続けるのではないかと思いますね。

 

国は年金払うのが嫌だからって人生100年時代(平均寿命10年以上足りないのに(笑))とか言い出しちゃって長く働かそうとしていますけど、それならば、氷河期世代は少なくともあと20年~30年は働くわけですし、今後、年金受給開始年齢がさらに引き上げられて30年~40年働く可能性だってあるわけですから、企業も国も「長期勤続によるキャリア形成を図るため」に40代や50代の人を差別し排除する正当化根拠をすでに失っていることになります。そもそも転職が当たり前の時代、長期勤続っていうのも時代に即していません。もっと差別を取り締まったらどうですかね。厚労省さん。ちゃんと仕事してよね。それこそ、厚労省の人、全部クビにして氷河期世代と入れ替えたらどうでしょうかね。少しは状況がましになるかもしれませんよね。

 

ちなみに、以前ヤフコメで、1つ良いなと思う解決案がありました。うろ覚えですが、障害者雇用促進法のような法律を作ってはどうかというものでした。差別なんて簡単にはなくならないですし、雇用を強制するしかないというのは確かにその通りだなと思いました。

 

今回は1000文字くらいでサクッと爽やかに書くつもりだったのですが、結局4000文字近く書いてしまいました。20代30代の人、バカバカ言ってごめんなさいね。みんなじゃないですからね。60%、いや70%くらいかな(笑)。。