ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

安倍元首相銃撃事件 山上容疑者に同情する人たちの不可解な思考回路

大変ご無沙汰しております。ヴィヴィアンです。

 

皆さんご存じ、安倍元首相銃撃事件。

一報を聞いた時、このような展開になるとは想像もしませんでした。

 

こういった類の事件もそうですが、介護殺人や子殺し事件があると判で押したように同情論を唱える人がワラワラと湧いてきます。昨今の、かわいそうな人、苦労してきた人は殺人を犯してもやむを得ない、つまり、大変なんだから人を殺したってしょうがないじゃん!だって、何もしてくれない国が悪いんだもん!社会が悪いんだもん!と言わんばかりの論調には辟易していました。

 

とりあえず、報道によると、父親と兄が自殺、兄は幼いころに病気をして障害があった。母親は容疑者が幼いころから宗教にどっぷりつかっていた。大金を献金して破産。(でも一部返金)もともと裕福だったが、母親の宗教のために金銭的余裕がなくなり大学に進学できなかった。育児放棄の話も出ていますが、定かではありません。だいたい、令和基準で見れば、たとえ昭和後期であってもこの頃の子育ての50%は育児放棄と評価されてしまうと思います(笑)。

 

マスコミは、ちょっと変わったエピソードを見つけ出して「凄絶人生」とかなんとか言って、プレビュー数を稼ごうとします。今回の事件においても、ほんのいくつかのエピソードのみを根拠に育児放棄とセンセーショナルに報じています。

 

どこまでが本当か分かりませんが、たしかに、今どきの甘ちゃんから見れば「分かりやすい不運」なのかもしれません。マスコミに煽られてか、ヤフコメも9割以上が同情論のようです。今回の事件に限りませんが、ヤフコメ読んでると、こんなことで同情するなんて、世の中の人たちはそんなに楽で苦労のない人生を送っているのか?という疑問が沸いてきます。

まあ、冷静な人はバカバカしくてコメントしないだけなのかも知れませんけど。

 

結構目立っていたのが、以下のようなコメントでしょうか。日本も終わりだな、と暗澹たる気持ちになりました。

① 母親が献金などしなければ大学に行き、一流企業に就職して悠々自適の人生を送ることができたのに、なんて気の毒な!

→ いやいや、氷河期だったので、一流大学を卒業していても一流企業への就職は厳しかったと思います。だから「氷河期」なんですよ(笑)。。

氷河期を知らない人多すぎです。少なくとも私の頃は、関関同立程度の大学では、コネがない限り、ブラック企業がやっとという印象でしたけど。

 

山上容疑者は歳が私より少し下ですが、もし、関関同立を出てコネなしで一流企業に入れたのであれば、2003年卒の頃はもはや氷河期ではなかったということになりますね。この世代については氷河期世代を対象とする支援は必要ないということになります。

いずれにせよ、山上容疑者の場合、その気になれば年齢的に転職等で逆転するチャンスはあったのではないかと想像します。

 

 さらにいうと、40代以上の世代は、今よりも大学進学率ははるかに低く、大学進学は一般的ではありませんでした。経済的な事情や家庭の方針等で関関同立に受かるくらいの学力があっても進学しない人は吐いて捨てるほどいましたよ。一方、親の支援なしで大学に進学する人もそれなりにいました。奨学金とアルバイトで何とかする人もいれば、大学に進学する前に働いてお金をためてから進学する人もいました。

 

進学や就職に関していうと、山上容疑者が特別気の毒と言えるような事情は一つも見当たりません。

 

だいたい、家庭の問題がなければ京大に進学できたとか、一流企業に就職できたとか、たらればの話して何になるのよ。そもそも、一流企業に就職しても、そのあとの長い人生どうなるか分かりません。勉強ができたって仕事が全くできない人はたくさんいます。条件が整っていれば東大に進学できたとか、一流企業に就職できたとか、そんな人そこら中にいますよ。人口の何割かはそんな感じでしょ。でも、そんなこと言い始めてもきりがないので、みんな自分に与えられた環境、条件の中で生きていくわけです。人生ってそういうものではないですか。世の中も人生も平等なわけないじゃないですか。

 

それでも這い上がりたいのであれば、前を向いて死ぬほど努力すればよいのではないですか。死ぬほど努力したのにどうにもならない場合には文句の一つも言いたくなるとは思いますけど。

 

この点、山上容疑者は、資格を取得したりと少しは努力したのかもしれませんが、誰でも取れるような簡単な資格ですよね。本来の裕福で恵まれた生い立ちに執着し、恨みを募らせていたように見えます。要は、金に対する執着心が異常に強く、幼稚で考えが甘いように見えてしまうのです。所詮、親や祖父母の金でしょ。少なくとも昭和の時代の人であれば、貧乏な家に生まれた人は、与えられなくてもなんとも思わないし、失ってもなんとも思わないですから。じゃ、自分が頑張って稼げばいいや!ってなるんですよね。

 

とにかく人のせいにしすぎているように見えます。人生を狂わされたとか。いやいや、なんとか踏ん張って狂わされない人生を送ろうよ。他力本願なところは母親の影響なのでしょうか。親や環境に影響されてたまるものか、自分の人生は自分でなんとかしてやる、という強い覚悟があったなら、ただただ前を向いて生きていくのみなんですけど。恨んでる暇なんかないはず。

 

あと、裕福な家庭に生まれて親もエリートだったし本人も成績が良かったのだから、容疑者もエリート人生を歩む権利があったとでも言わんばかりの論調もおかしくありませんか?いま、格差が問題となっているわけですが、格差社会を容認するような考え方ですよね。

 

実際、容疑者にもどこか選民意識のようなものがあるのではないかと感じます。宗教団体に献金しなければ親のお金で大学に行きエリート人生(同志社ってエリートってほどではないですけど)を歩めたのに、本当は自分はこんな人生を歩くはずではなかった、エリート家庭に生まれたのだから自分は本当はエリートになるべき人間なんだ、という意識がどこかにあったのかもしれません。そういった選民意識と強い被害者意識が絡み合ってなかなか抜け出せなかったように見えます。

② このような悲劇を生まないために国は大学の学費を無償にすべきだ!

→ もう勘弁してくれよ!論理飛びすぎ!意味不明すぎ!

少子化の影響なのか、なんだか最近の人は、何かしら事件があると「国が」「子供や若い人」を支援すべきという結論に持っていきがちです。思考停止状態ですね。アタマ空っぽのバカが増えすぎです。ヤバいぞ、日本。

 

容疑者は今年で42歳だったと思うんですが(笑)。。なぜ子供や若い人への支援の話になるのよ?「家庭に問題があって進学できなかった人」は上の世代の方が圧倒的に多いんですけど(笑)。。何年か後に50歳くらいの人が似たような事件起こすかもしれませんよ?

 

あっ、そうか!

今の若い人(これから生まれてくる人も)は甘やかされて育ってきて、なんでも人のせいにするから、生まれた瞬間から湯水のように税金を注いで彼らやその親のご機嫌をととっておかないと、将来何をするか分からない。だから、若い人や子供に税金を使うべき、ということなんですね!なるほどね!

③ 山上容疑者のような問題を抱えている家庭の子供を国がサポートすべきだ!

→ 先ほどもちょっと触れましたが、山上容疑者の家庭の問題は分かりやすい問題が目立つのです。(分かりやすいから報道されているんでしょうけれど。家族にしか分からない隠れている問題もあると思いますが)

 

なぜ、国が「分かりやすい不幸」を背負った人のみを税金使ってサポートしなければならないんでしょうか。

 

世の中がもっと良い方向へ行くことを願う気持ちは否定しませんが、「分かりやすい不幸」を背負った人を安易に救済しようという論調は危ういものを感じます。分かりやすい不幸だけをことさら強調すると、分かりにくい不幸を背負っている人が見過ごされてしまう恐れがあります。彼らは助けを求めにくくなります。本当に救済されるべき人が救済されなくなります。税金だって無限にあるわけではありません。

 

そもそも、「国が」サポートすべきというけれども、あなたも社会の一員ではないですか?「国」のサポートさえあれば社会が良くなっていくのでしょうか?あなたは社会の一員として社会を良くするために具体的に何をしているんでしょうか?何か心掛けていることはありますか?選挙に行く以外にこれまで何をしてきましたか?

 

※おまけ

家族が2人自殺したというのはめずらしい経験だとは思いますけどね。

報道によれば、某青年の父親と祖父母もたしか自殺だったかと思います。某青年は一人っ子ですし、なかなか個性的な母親のようですし、苦労もあったかもしれません。ですが、誹謗中傷を繰り返す人の多いこと。同情論は聞いたことがありません。犯罪を犯したわけでもないのに。なぜなんでしょうかね(笑)。。